■ 断熱効果が高く、吸湿性にすぐれ畳の和室をモダンに使いこなす ■



現在でも部屋の広さをいうのに6畳、8畳といったほうがピンとくるほど、畳は私たち日本人に馴染み深いものです。夏はひんやりと、かといって冬は冷たすぎず、その感触のよさ、畳目や畳縁(たたみべり)の美しさばかりでなく、高温多湿の気候風土にも合った、すぐれた床材ということがいえます。


畳の枚数によって広さの違う部屋ができていくのですが、畳そのものの大きさは三種類あります。@関西以西で使われる京間は幅955ミリ、A静岡以北で使われる関東間、地域によりいなか間とも、五八間とも呼ばれるものは幅880ミリ、Bその中間で愛知を中心とした中京地方で使われる中京間、または三六間が幅910ミリです。ですから関東の六畳間は関西の六畳間より狭いわけです。


しかし、実際は部屋に合わせて畳をつくっていくのが一般的です。畳は、畳床、畳表、畳縁からできていて、床はJIS、表はJASに基づいて等級があります。畳床は、稲わらを約5センチ厚さに圧縮しているので、弾力があり、断熱効果も高く、吸湿性もあります。


化学畳と呼ばれるものは、畳床が稲わらではなく、発砲スチロールなどの素材できでたものです。ちなみに、柔道の公式試合には化学タタミが使われています。畳表もビニール製のものです。


畳は藺草(いぐさ)を麻糸(または棉糸)などで編んだもので、大別すると備後表と琉球表(青表)があります。産地の名前で呼ばれることが多いですが、広島産の備後表が最上品であると一般的にいわれているようです。琉球表は大分産の七島藺(しちとうい)を使い、豊後表ともいわれるもので、粗目でじょうぶ、縁(へり)をつけずに敷きます。


畳表には大気汚染の元凶である二酸化窒素を吸着する作用があるので、新しい畳のすがすがしさは、見た目だけではないのです。


畳を敷いてある部屋を総じて和室といいますが、かなり洋風なつくりにも畳は床材としてもマッチします。ノーファニチャーという住まい方も、つまりは畳の座式と同じことですので、改めて畳の良さが見直されています。ですから、間取りを考える時にも畳の敷いてある和室も選択肢の中に入れられてみてはいかがでしょうか。




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第28回は、和室をモダンに使いこなす。
( UP DATE: 2007.09.01 )