■ 地面から棟のてっぺんまで約8m。道路や北側斜面制限内に納めます。 ■


木造2階建ての高さは、一体どのくらいあるでしょうか。まず地面から1階床までの高さは、建築基準法では45センチを推奨していますが、実際には50〜60センチと高くなる傾向にあるようです。


床下が高いと空気が流通して湿気がこもりませんし、床暖房などの配管も通しやすくて都合がいいのです。1階の床から2階の床までの高さは2.7〜3メートルくらいです。さらに2階の床から軒までは2.5〜2.8メートルと1階より20〜30センチ低いのが普通です。


そこまでが約6メートル強以上で、その上の棟部分は屋根によっても違いますが約2メートル。全体では8メートルくらいが標準といえそうです。といっても、どの住宅でも8メートルの高さにできるわけではありません。建物の高さにも用途地域によって法的規制があるからです。


北側にある隣地の日照を保護するために北側斜線制限があります。この規制は第1種、第2種住居専用地域のみに適用されるもの。


第1種住居専用地域の場合、北側隣地との境界線上で、5メートルの立ち上がり点から1対1.25の勾配斜線以内に建物を納めなければなりません。この地域では建ぺい率や容積率の制限が厳しいため、その分、高さがほしいところですが、高さも10メートル以下と、北側斜線とで制限されています。


こうした場合、勾配に合わせた屋根をかけてクリアすることが多いようです。ちなみに6寸勾配の屋根がピッタリ合うということです。この他にも、道路の幅によって、そこに面する建物の高さに斜線制限がかかります。これは同じ道路幅でも用途地域によって違ってきます。


この場合、建物が道路に近づくほど高さがおさえられますから、道路からの距離で高さを調節することです。高さ制限のある地域では、軒の出を少なくしたり、軒高を低くしたり、また屋根の形を工夫する必要があります。




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第17回は「木造2階建ての高さ」です。
( UP DATE: 2006.10.05 )